一級建築士事務所アトリエマナ(代表:河内真菜):「住宅地で別荘暮らし」をテーマに、身体に関する建築の環境造りを手がけています。

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外と内が境界によって明確に区分されない曖昧な居場所。たとえば木陰のような居場所は、外であるが、ある意味中としての要素も合わせ持つ。それは、そよ風や木漏れ日、影や光など、人が感じる五感がそう感じさせてくれる。
郊外の住宅というイメージは、「庭付き戸建て」という、庭と家を明確に切り分ける成り立ちの住宅群が頭に浮かぶ。40坪規模に区画された敷地に住宅が建ち並ぶその風景の中で、わたしは、内と外が明確に区分されない曖昧な居場所に、家族が集う木陰がそこにある住まいの風景を造り出したかった。敷地は、そんな分譲地の一角に地位する。東南の角地と、南に開けた公園の木々を望む事ができる恵まれた立地条件であった 。
その中で、周囲からのプライバシーを守りつつ、閉ざされていない明るく伸びやかな郊外の暮らしと家族の風景を、立体的に連なるゆったりとしたスキップフロアー形式で実現しようと試みた。
まず、建物の輪郭を敷地最大限のボリュームで決め、シンプルな家型で囲い取る。そこに、中庭やテラスなどの屋外空間と、リビングや食室、各室の屋内空間を、半分ずつというバランスでそれぞれのフロアに配置した。
立体的に積層されたフロアは、その用途にあったボリュームと設えとすることで、場所ごとに違った居場所となる。大きな庇と抜けのあるテラスは空を感じ、光を通す花ブロックは木漏れ日のようにリズミカルに町の風景と暮らしを映し出す。中庭の大きな窓は、公園の木々の移ろいを家に取り込み、家族で手作りの中庭は訪れる人を楽しく出迎える。そこを横断するゆったりとしたスキップフロアは、いろいろなレべルから、中庭や町並み、家族の様子を伺える。外と内のヒエラルキーはなく、町と家の中間的な屋外スペースは、町に開く事と守ることを両立する。日々の生活の中、家族がそれぞれ別の事をしていても、共に気配を感じながら暮らす住まい。そんなイメージがぴったりの優しい光に包まれながら明るく開放に暮らす郊外の家が実現した 。

計画地:小田原市
設計:アトリエマナ
構造:馬場貴志構造設計事務所
写真:藤井浩司/ナカサアンドパートナーズ
敷地面積:132.56m²
建築面積:79.89m²
延床面積:113.33m²
構造:木造2階建

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