一級建築士事務所アトリエマナ(代表:河内真菜):「住宅地で別荘暮らし」をテーマに、身体に関する建築の環境造りを手がけています。

木陰の屋根

敷地は座間の閑静な住宅街に位置する、50代のご夫婦の終の住処である。ご夫婦の親族が暮らしていた築50年の建物の建て替えで、思い出あるこの土地で、あまり大きくなくて良く、二人で趣味とともにゆったりした時間を過ごしたいと言うご要望であった。庭には手入れの行き届いた対の柿の木があり、思い出ある木々とともに、庭をたのしみながら趣味とともに暮らす家を実現したかった。まず、敷地全体に方流れの大屋根を置く。思い出ある木々を残しつつ庭も内包しながら、お二人の生活を包み込むようなおおらかで木陰のような居場所としたかった。1階は、居間や食堂、客間や水回りなどのパブリックスペースからなる。敷地にL型にボリュームを配置することで、プライバシーを守りながら、全ての部屋から庭を楽しめる計画とした。深い庇のある縁側は、庭を眺めながら、ゆっくりとお茶を飲んだり、庭いじりの休憩スペースとしても機能する。
平屋を少し大きくした吹き抜け越しの2階は、プライベートスペースからなる。障子越しにリビングとつながる寝室は、お互いの気配を感じながら、小屋裏のような居心地のよい寝床としたかった。書斎には、リビングに面して窓があり、声をかけたり気配を感じる事ができる。独立性のある和室は、一人になる事も出来る。趣味の陶器や小物、家具などの思い出の品々が置かれ、長年たしなんだバイオリンや書道などのお二人の趣味のスペースが配置され、家全体が一体感あるお二人の居場所。焼き菓子の香りや、音楽が聞こえたり、明かりがともっている部屋を感じながら、それぞれ別のことをしてもお互いの気配を感じることが出来るお二人だけの終の住処が実現した。

計画地:東京
設計:(株)一級建築士事務所 アトリエマナ
構造:馬場貴志構造設計事務所
施工:記載なし
写真:藤井浩司/ナカサアンドパートナーズ
用途:住宅
敷地面積:128.05㎡
建築面積:59.76㎡
延床面積:77.38㎡
構造:木造

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